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2020-09-20

立杭焼 丹窓窯のうつわ

こんばんは。

 

この間の定休日に、思い立って

久々に篠山に行ってきました。

山裾に細長く広がる小さな集落、

昔からあまり変わらない風景なんだろうな・・

 

最近、遠くの器ばかり、探していたけれど、

立杭の里に立ち、歩いてみると、

その歴史、懐の深さを改めてひしひしと感じ、

用の美を大切にする方々が、その小さな里を

きちんと美しくしつらえて暮らしていることに

あらためて、感銘をうけました。

 

写真をもっと取っておけばよかったな・・

なんだか文章ばっかりになってすいません。

お時間ある方はお付き合いください。

 

その中で、今回手に取りたかったのは

丹窓窯さんのうつわでした。

丹窓窯さんは、現在の市野茂子さんで

8代目となる、歴史ある窯元さんで、

立杭で初めて、スリップウェアを手掛けられた

珍しい窯です。

(スリップウェアというのは、

スポイトにいれた泥漿でうつわに模様を描く

手法です。)

 

元は先代の茂良さんが

イギリスに渡り、かのバーナードリーチ

直々に、数年の修行を経て技法を習得して以来、

スリップを追及してこられた丹窓窯さん。

 

茂良さん亡き後

その後、由緒ある窯を守るため、

ご主人の生き様を絶やさぬため、

妻の茂子さん、そして現在は娘さんもご一緒に

窯を守っていっておられます。

 

なんとも、胸にしみるお話です。

 

現在スリップを手掛けられる作家さんは多くいらっしゃって、

大変技工的であったり、芸術的であったりしますが、

丹窓窯さんの、茂子さんのスリップは、

とてもシンプルで、素朴です。

しかし、良く見ると、その線はのびのびと、時に力強く

そこに確かな意思を感じるのです。

 

日々の飾らないくらしに

お料理をとても美味しそうに見せてくれるうつわだなと

思います。

 

その人のすべてを表現する為のうつわがあれば、

また、使う人の為、料理の為のひかえめなうつわもある。

 

奥がふかいなあ。

 

長々となりましたが、

 

つまりは、秋色で、とっても気のきいた、

素敵なうつわが入荷しましたということでした。